
色留袖。
母がわたしと兼用にと誂えた色留袖。
着付け教室で、礼装用の着付けを習う時に持っていったところ、
先生からは、「わざわざ、格を落としている」と言われたもの。
比翼無し、一つ紋で縫い紋になっている。
先日、ある呉服屋さんでの話で、
色留袖の五つ紋(染め抜き五つ紋の日向紋)は、
天皇陛下にお会いする時に着る礼装なので、いちばん格が高い。
そのままでは、格が高くなりすぎるので、通常は三つ紋にして
礼装用にするとのこと。
留袖:大正四年の皇室令では、祝儀礼装は黒または色物の五つ紋付裾模様と指定
色留袖:一般的に戦後は黒留袖に次ぐ既婚者の礼装
三つ紋に比翼仕立て=礼装用
比翼なしの一つ紋=訪問着に相当
紋:紋様を細い線で書き、白く染め抜いた陽紋(日向紋)
五つ紋、三つ紋、礼装用
模様の細い線の方を白く染め抜いた紋を陰紋
(輪郭の太さにより中陰、細陰または陰紋、中陰紋)
一つ紋 略礼装用 色無地など
紋の形を刺繍で表した刺繍紋
しゃれ紋(飾り紋)
第一礼装の色留袖に、紋は略礼装用。
格は訪問着と同格となるよう。
柄ゆきが、「留袖!」な吉祥柄は一切無く、
地紋に紗綾、ぼかしにところどころ金彩、銀彩が入った
作家銘のあるもの。
親に色留袖と言われて、手渡されなければ、
「これは何?」と長らく首をひねるところだった。
羽織でも着たら、きっとだれも色留袖とは気が付かないほど。
これほどに柄ゆきがないものに、染め抜きの紋を入れると、
紋ばかりが目立ってしまいそうで、
なので、金彩の縫い紋は、全体のバランスを保っているよう。
着物の格。
元より、相手に礼を尽くすことを表す。
相手に対する礼節の気持ちを、着るもので表すもの。
大げさにならないよう、控えめにすること、
着ていける範囲を広げるためなど、
昔にあった着物の格を、少しずつ変えたものがあり、
混在している今は、かえって困惑することにも。
できるだけ、着る機会を増やして欲しいという、
呉服屋さんからのスタイル。
江戸時代でも、新しいものはどんどんと生まれてきて、
明治、大正、昭和を経て、今に至っているだけれど、
着物に対する知識と感覚が、一般的と地域の風習、親からの伝授、
着物を着る人からの口述など、
いろいろと混在してきているので、あれこれと知っては、
ぐるぐる回って、元の鞘に納まる的な様相に。
願わくば、訪問着よりも、この色留袖が相応しいと思って、
着ていける機会に恵まれたい。
銀座きものギャラリー泰三
http://www.taizou.jp/index.phpコラム-紋の話
紋の生い立ちから、現代に至る遍歴と種類、格など委細紹介。


【山口美術織物】 正絹特選訪問着・色留袖 (どちらにも仕立可能) 〜錦繍・御衣〜 「春秋霞四季花」
ストア:京都きもの市場色留袖、訪問着、どちらでも仕立てが可能。